バイクに乗ることが長年の趣味で、人生の一部だというあなた。私も、その気持ち、よくわかります。
でも、歳を重ねるごとに、若い頃のようにはいかないと感じる瞬間って、ありますよね。無理はしたくない、だけどこの最高の趣味を手放すなんて考えられない。
そんなあなたの不安に、私も同じように直面しています。今回は、64歳でバイクの免許を取ったばかりの私が、安全に、そして「急がず堂々」とツーリングを楽しむための心構えを、私の経験を交えながらお話しさせてくださいね。
シニアライダーが直面する「運転の変化」

若い頃にバイクを乗りこなしていた方なら、きっと「体は覚えている」と感じるかもしれません。でも、正直なところ、私たち熟年ライダーの体は、若い頃とは確実に違うんです。
若い頃の無茶はもう卒業、新しい自分を受け入れる
私自身、64歳でバイクの免許を取りました。
運転に慣れてくると、つい昔の自分ならこうできた、という感覚に引きずられそうになることもあります。
特に、車と車の間をすり抜けるような行為は、若い頃なら「あたりまえ」のようにやっていた人もいるかもしれません。
しかし、今はもう違います。視力、反射神経、そして何よりも「判断の速さ」が、残念ながら若い頃と同じではありません。わずかな時間の短縮のために、何かを失ってしまうかもしれない。そんなリスクを負うには、私たちはもう経験を積みすぎた世代ですよね。
視線と判断、一瞬の遅れが命取りになる理由
バイクの運転は、常に周囲の状況を把握し、一瞬で判断を下す連続です。前を走る車の動き、後方からの接近、側方からの飛び出し……これらすべてに意識を向け、適切な行動を取らなければなりません。
ですが、私が運転していて感じるのは、若い頃に比べて「危険を察知するまでの時間」が、ほんのわずかですが長くなっていること。
そして、その危険に対して「体が反応するまで」にも、やはり一瞬の遅れがあるように思うのです。
この「一瞬」の積み重ねが、大きな事故につながりかねない。
だからこそ、私たちは若い頃以上に「予測と準備」を大切にしなければならないと感じています。
「急がず堂々」走るための具体的な心構え

では、どうすればこの「変化」と上手に付き合いながら、安全にバイクを楽しめるのでしょうか? 私が心がけているのは、「急がず堂々」と走るということです。
車間距離は命のゆとり、心にもゆとりを
まず、何よりも大切なのは、車間距離をしっかりと取ることです。車間距離は、単に前の車との距離ではありません。それは、私たちが危険を察知し、判断し、行動するための「時間」と「空間」のゆとりなんです。
十分な車間距離があれば、前の車が急ブレーキを踏んでも、落ち着いて対処できます。また、周囲の状況を把握する余裕も生まれ、気持ちも穏やかに運転できますよね。焦りやイライラは、運転の大敵です。
特に高速道路では、速度が高い分、車間距離の重要性はさらに増します。私はいつも、少し「長すぎるかな」と感じるくらいの車間距離を意識しています。そうすることで、心にも余裕が生まれて、景色もゆっくり楽しめるんですよ。
すり抜けはしない、焦らず道を選んで存在感を示す
渋滞にはまると、ついつい車と車の間をすり抜けて、少しでも前に進みたくなる気持ち、よくわかります。しかし、これは私たちシニアライダーにとって、極めて危険な行為だと私は思います。
車のドライバーは、まさかバイクがその狭い空間を通り抜けてくるとは思っていません。
不意のドア開けや車線変更など、予測できない動きに対応するのは、一瞬の判断が遅れる私たちには酷です。
焦ってスピードを出す必要なんてありません。
私たちはもう、急いで誰かに着いていく必要もない世代です。
堂々と、車と同じように車線を守って走りましょう。
それこそが、私たちの存在を周囲に理解させ、安全を確保する一番の方法だと信じています。
走るコースをAI に相談してみる
今の時代なら、「この地点から安全でシニアでも余裕で走れる景色のいいバイクツーリングコースを教えて」って AI に聞いてみる方法もありますよね。
出発の場所、出発時間、帰宅時間、途中でどんなことしたいかなどなど、伝えると面白いように答えが返ってきますよ。
どうせ走るならと、若い頃を思い出しながらちょっと『クネクネ峠』を攻めたい なんて気持ちもわかりますが、ゆっくり景色や風の匂いを楽しむことだってできるお歳です。
高速道路も怖くない!熟年ライダーのための安全対策

一般道での運転ももちろん大切ですが、ツーリングの楽しみといえば、やっぱり高速道路での長距離移動も外せませんよね。私も高速道路はよく使いますが、やはり一般道とは違う注意点があると感じています。
いざという時の備え「フラッシャー」携帯のススメ
高速道路上で、万が一バイクが故障して停車してしまったら……。想像するだけでもゾッとしますよね。路側帯は非常に危険な場所です。後続車からの視認性を確保することが、二次事故を防ぐために何よりも重要になります。
若い頃は考えもしなかったことですが、この歳になってからは「転ばぬ先の杖」を常に意識するようになりました。
もしもの時のために、ウエストポーチにも入るような小型のフラッシュライト、いわゆる「フラッシャー」を携帯することをお勧めします。
夜間はもちろん、昼間でも遠くから視認できるようなものもありますから、一つ持っていると安心感が違いますよ。
もしもの時に役立つ、高速道路での安全対策について、こちらの記事も参考になりますよ。
高速道路での緊急停車時の備えについて、詳しくはこちら
休憩はこまめに、疲れを溜めないことが何よりの安全策
長距離ツーリングの際、休憩を惜しんで一気に走破しようとするのは、シニアライダーには禁物です。体力の回復はもちろんですが、精神的なリフレッシュも同じくらい大切なんです。
私は1時間〜1時間半に一度は休憩を取るようにしています。
パーキングエリアやサービスエリアで、体を伸ばしたり、温かいコーヒーを飲んだり。
そうすることで、集中力が途切れるのを防ぎ、新鮮な気持ちで再び走り出すことができます。
無理なく、自分のペースで楽しむこと。
これこそが、熟年ライダーの醍醐味だと私は考えています。
バイクと共に人生を謳歌する「50からが自分の人生」

私たちは、これまで一生懸命働いて、家族のために、社会のために尽くしてきました。だからこそ、これからの人生は、もっと自分のために時間や情熱を注いでも、決してバチは当たらないと私は思うんです。
バイクに乗ることだって、その一つ。若い頃とは違う感覚に戸惑うこともあるけれど、それを受け入れて、新しい安全な乗り方を工夫する。それもまた、新しい自分と向き合う、立派な「挑戦」だと私は考えています。
かつて、30歳を過ぎてからパラグライダーに挑戦したことがありました。
周りの人にどんどん追い抜かれ、空中から落ちて首を痛めた時、「もう無理だ」と諦めかけました。
でも、ある晩見た夢のおかげで、どうしてもできなかった技術を習得でき、最終的にパイロットの資格を取れたんです。
その時、強く感じたのは、憧れていたものに対して行動を起こし、諦めなければ、必ず道は開けて手にできるものなんだということ。
バイクも同じです。
安全に、そして堂々と楽しむ方法を考え、実践していくことで、この素晴らしい趣味は、きっとあなたの人生をさらに豊かなものにしてくれるでしょう。
私たちの人生は、「50からが自分の人生」です。
この言葉を胸に、これからもバイクと共に、そして新しいことへの挑戦と共に、あなたらしい人生を歩んでほしいと心から願っています。
私の体験談が、あなたの「次の一歩」を踏み出すきっかけになれば幸いです。
これからも、この場所で、私の考えや日々の体験を飾らない言葉で綴っていきますから、またいつでも覗きに来てくださいね。

