会社を退職し、「やっと自由な時間ができる」とホッとしたのも束の間、
何となく気分が晴れない。
時間はあるのに、誰とも話さずに1日が終わる。
テレビやスマホを見て過ごしていると、
ふと自分が取り残されたような気持ちになる。
──そんな経験、ありませんか?
実はこの孤独感、定年を迎えた多くの方が感じているものです。
けっしてあなただけではありませんよ。
定年を迎えた瞬間、ふと気づくことがあります。
「会社の人としか話してなかった」
「家にいるけど、奥さんは仕事で日中は一人」
「外に出たいけど、何をしたらいいのか分からない」
長年、仕事に全力で取り組んできた人ほど、
そんな風に ぽっかりと心に穴が開いたような感覚になることがあります。
でも、それはあなただけではありません。
むしろ、今の時代では“普通のこと”です。
でも、孤独のままでいる必要はありません。
今日は、そんなあなたの“地域デビュー”を応援するために、
人見知りでも、初めての方でも、
一歩踏み出せる方法をご紹介します。
こんなところに情報がある! 地域の掲示板に注目
近所のスーパーや公民館、駅の掲示板を見たことはありますか?
最近は、地域活動の案内がたくさん貼り出されています。
「一緒に朝の散歩をしませんか」
「麻雀仲間募集」
「初心者歓迎!囲碁・将棋教室」
「写真クラブメンバー募集中」
文字は手書きだったり、印刷だったり。
でもそこには、同じように誰かとつながりたいと思っている人の声が詰まっています。
実はみんな人見知りだった
誰にでも声をかけて話を始めることのできる大人は
やっぱり少数派ですよ。
ほとんどの人がおっかなびっくりの人見知りです。
考えてみれば、現役時代は
「会社の人」「取引先の人」とだけ会話していた日々。
家では必要最低限の会話、地域行事も奥さん任せ。
気がつけば、自分の世界は“仕事の外”に出ていなかった。
だから定年後、
「誰に」「何を」「どう話しかけたらいいのか」がわからないだけです。
実はこれ、多くの男性が直面するリアルな孤独の正体。
人見知りでも大丈夫 あなたのような人が来ています
「知らない人ばかりの場所に行くのは気が重い」
「会社を辞めたら、毎日がのんびりできる」
そんな風に思っていたのに、
実際はご近所ですれ違う人に挨拶するのさえ気まずい。
自分でも驚くほど、人と自然に話せなくなっていることに気づくのです。
でも、実際に勇気を出して『集まり』参加してみると、
「自分と同じような境遇の人ばかりだった」
「人見知りの人ほど、優しく受け入れてくれる空気があった」
という声が多いのです。
みんな最初は緊張しています。
でも、趣味や地域という“共通点”があるからこそ、
会話のきっかけもできやすいです。
知らない人に話しかけるのって、子どものころより何倍も勇気がいります。
あの頃と違って大人になると、いつの間にか自分と周りの間に
防護壁を作ってしまっているからだと思うんです。
なので、“雑談慣れ”していないだけなんです。
習慣は小さくていいのです。たとえば:
スーパーで「このレジ混んでますね」とひとこと
同じ道を歩く人に「暑いですね」と言ってみる
図書館や喫茶店で「いつもここに来てるんですか?」と笑顔で
相手が驚いたり、無視されたとしても気にしないでください。
ただ、「一言をかけた自分」を褒めてください。
言葉をかける行動そのものが、
孤独の外に出る一歩なのですからね。
参加してみて分かる、自分の価値
地域の活動に参加して驚くのは、
「あなたの経験や知識がとても喜ばれる」
ということです。
現役時代に培った知識、たとえば機械、営業、事務、経営、管理など。
「パソコンの入力が分からない」「防災の備えって何をすれば?」
そういった疑問に、あなたの経験がピタッとはまることもあります。
「すごいですね!」と言われたとき、
自分の過去が誰かの役に立っていることが実感でき、
自信につながります。
人の役に立てた、と感じられる経験は、
自分の価値を再確認する機会になります。
それは年齢や経験ではなく、
『行動した人にだけ訪れる贈り物』です。
「よし、次も行こう !!」って気持ちが湧いてきます。
話し相手さえいれば孤独ではなくなる
私は定年後、まったくの未経験から介護の仕事を始めました。
認知症の方ばかりの施設ですが、
入所している皆さんを見ていると
誰とも話さない方ほど、認知症が進みます。
これは、他の職員も一様に認識しています。
話さなくなる = 孤独になる = 脳にも影響が出る
人は二人以上いて、人間らしくなるのでしょうね。
気力が落ちきる前に話し相手を探しましょう。
孤独から抜け出す第一歩は“地域のどこかにある”
このように、定年後の人生は、
現役時代とはまた違う形で“人とつながる”ことができます。
そして
孤独を抜け出すいちばんの近道は、誰かのために行動することです。
介護での仕事をしていても、そうなのです。
臭いや汚れ、暴言や理不尽な態度も受ける世界です。
でも、たまに「ありがとう」と言われる瞬間が、心に灯をともすのです。
これは職業に限ったことではないと思います。
「誰かと話したいな」「何かやってみたいな」
そんな気持ちが少しでもあるなら、
ぜひ近くの掲示板や市の広報誌、
役所の情報窓口をのぞいてみてください。
新しい友達との出会いが、
あなたの老後を明るく照らしてくれるかもしれません。
さあ、次の扉を開いてみましょう。
あなたの第二の人生は、まだ始まったばかりです。
おせっかいながら 友達を作る小さなコツ
1.最初は「見学だけ」でもOK
緊張するのは当たり前。まずは様子を見るだけでも大きな一歩です。
2.「こんにちは」と声に出す
会釈だけよりも、軽く声を出すことで相手との距離がぐっと縮まります。
3.無理に自分から話しかけなくても大丈夫
地域活動では、世話好きな人が自然と話しかけてくれます。無理に頑張らなくてもOK。
4.続けることが一番の秘訣
月1回の集まりでも構いません。顔を出すうちに自然と名前を呼ばれるようになります。
みなさん、
あんなに頑張ってきたのだから
定年後だって、生き生き楽しくやりましょうよ。