「やっと自由な時間ができた」と思ったのも束の間、
「何をして過ごせばいいんだろう？」と戸惑うのが老後のリアルです。
毎日が日曜日のようで楽しい反面、
目標もやりがいもなくなると、心の張りを失ってしまいます。
でも、安心してください。楽しみ方は自分で作れますし、
それは決して難しいことではありません。
今回は、定年後の生活を充実させるためのヒントを
3つの視点からお届けします。
『老後の楽しみ』
老後の楽しみといえば、
旅行・趣味・孫との時間などが代表的ですよね。
たしかにそうなのですが、実はそれだけではないんです。
忘れられがちですが、「自分で役に立っている」と感じることも、
大きな楽しみのひとつ。
たとえば、地域の掲示板を見てみると
「一緒に〇〇しませんか？」
「仲間募集」といった貼り紙が意外と多くあります。
公民館やコミュニティセンターなどに行ってみると
本当にたくさんの募集のチラシが貼ってあります。
私自身も掲示板に目を止め、
「〇〇クラブ体験会」に参加したことがあります。
最初は勇気がいりましたが、
皆さん気さくで、知らぬ間に笑って話している自分がいました。
それから
「老後の楽しみ」は、過去にあったものを再開するのも良いし、
新しいことに挑戦するのもアリ。
60代で再び始めたカメラ、
初めて手を出したガーデニング。
私はバイクの免許、取りに行きましたよ。
小さな一歩が、日々のワクワクを生みます。
ポイントは「うまくやろう」としないこと。
楽しめばそれで十分なんです。
私達の世代は特に
完璧主義に陥りがちでしたからね。
『年金では足らない』
残念ながら、年金だけで悠々自適という時代は終わりました。
「足りない分は貯金で補う」と思っても、
物価高騰や医療費、孫への支援など、
想定外の出費はつきものです。
金融庁の報告によると、
老後の生活資金として夫婦で2,000万円が不足するとも言われています。
それを聞いて「自分には無理だ」と思った方もいるかもしれません。
そうであれば、発想を変えてみませんか?
「足らないから不安」ではなく、
「自分で少しでも稼げれば安心」と考えてみましょう。
まずは、週に数回、数時間だけの仕事でも良いのです。
ちょっとした収入があるだけで、
気持ちにゆとりが生まれますからね。
それに、仕事を持つことで社会との接点も増えます。
結果として孤独の解消にもつながります。
老後でも疲れない仕事｜心と身体に優しい働き方を見つけよう
定年後の仕事を考えるとき、多くの方が最初に思うのは
「もう体力がないから長時間の立ち仕事は無理」
「重い物を運ぶのは避けたい」ということではないでしょうか。
若い頃とは違い、無理が利かない身体と向き合いながら、
それでも少しでも収入を得て生活の支えにしたい…
そんな気持ちを持つのは当然です。
そこで今回は、老後でも無理なく取り組める、
心身に優しい仕事をいくつかご紹介します。
1. 自宅でできるネット系の仕事｜時間も体力も自由に調整できる
近年注目されているのが、
自宅でできる「ネットビジネス系」の仕事です。
とは言っても、高齢者向けに特化した情報ではまだ少ないです。
ですが、
パソコンやスマホ操作がある程度できる方なら、
思った以上に始めやすいジャンルも増えています。
たとえば、
ブログ運営・アフィリエイト
⇒文章を書くのが好きな方や、自分の経験を発信したい方におすすめ。
商品紹介や自分の趣味を記事にすれば、広告収入につながることも。
クラウドワークス・ランサーズなどの在宅ワーク：
⇒簡単なデータ入力や文字起こし、アンケート回答など、
スキルが高くなくても始められる案件が多くあります。
フリマアプリ（メルカリ・ラクマ）での販売
⇒自宅の不用品を整理しながら販売。
慣れてくると、仕入れて販売する小さなビジネスへと広げる人もいます。
ただし、ネット系の仕事は「すぐに稼げる」という幻想を持ってしまうと、
途中で挫折しやすいのも事実です。
月数千円から始まり、コツコツと積み上げることが大切です。
2. 地域密着型の軽作業・サポート業務｜無理なく外での刺激も得られる
「ずっと家にいるのは逆に疲れる」という方には、
地域でできる軽作業もおすすめです。
学校の見守りパトロール・通学支援員
⇒体力的には負担が少なく、
地域の子どもたちと触れ合うこともできて、
社会的なやりがいも感じられます。
公共施設の清掃・管理補助
⇒シフト制で数時間勤務のものが多く、
自分のペースで働けます。
シルバー人材センター経由の仕事
⇒草刈りや簡単な修理、文書整理など多岐にわたります。
自分の得意な分野を選べるのも魅力。
これらの仕事は、高齢者向けに設計されているものも多く、
「多少のんびりでもいいですよ」「安全第一で」と
配慮されるケースが多いのが特徴です。
3. コミュニティ参加が収入ややりがいにつながることも
老後の働き方には、「収入のため」だけでなく「孤独を減らすため」
「人とのつながりを感じるため」に働くという側面もあります。最近では、
高齢者の経験や知識を活かせるような地域活動に、
少額ながら報酬が発生する取り組みも見られます。
たとえば、
地域の高齢者カフェの運営ボランティア（交通費＋報酬）
子育て支援の話し相手・読み聞かせ活動
シニアの居場所づくりのサポートスタッフ
これらの活動は、直接的な仕事とまではいかなくても、
「ありがとう」「助かったよ」と言ってもらえることで、
自信ややりがいを得られ、心の健康にも良い影響を与えてくれます。
お仕事のまとめ
老後の仕事選びにおいて大切なのは、
「身体的に無理がない」
「精神的に負担が少ない」
「できれば社会との接点がある」
この3つをバランスよく取り入れることです。
「何かを始めなければ…」と焦るより、
まずは「どんな働き方が自分に合いそうか」
「一日どれくらい働けそうか」と、自分を労わる視点からスタートしてみましょう。
60代だからできる仕事が、きっとあります。
そしてその仕事が、人生後半の楽しみや生きがいにつながる可能性も、
十分にあるのです。
給料の金額よりも、ご自分の時間を優先させて考えましょうよ。
人生の後半戦は、自分のペースで
老後は「何かを失う時期」ではなく、
「新しい自分に出会う時期」
人と比べる必要はありません。
仕事、趣味、交流——どれも自分のペースで取り入れていけば、
それがあなただけの豊かな老後になります。
大切なのは、動くこと。完璧じゃなくてもいい。小さくてもいい。
今日の一歩が、明日の楽しみにつながるのです。
