はじめに
50代後半から60代にかけて、多くの人が定年を迎えます。
かつてなら「隠居してのんびり」という選択肢もあったのかもしれませんが、
現代はそんなに甘くはありません。
年金だけでは生活が成り立たないという現実を前に、
「定年後、何をして暮らしていこう?」という不安は、
誰しもが抱えるものになっています。
そしてそれは、男性だけでなく女性も同じです。
今や共働きは当たり前。
60代になっても、夫婦そろって働き続ける家庭は珍しくありません。
そんななか、「まだ働ける」「もうひと踏ん張りしたい」
という気持ちを持っている方に向けて、
今回は60代からでも始められる仕事や、私自身の体験をお話しします。
私が介護業界に入った理由
私は定年後、まったくの未経験から介護の世界に飛び込みました。
体力は要りますし、正直なところ、臭いや汚れとも日常的に向き合う職場です。
しかも、親切に接していても暴言を吐かれたり、
叩かれたりすることもあります。キレイごとばかりでは語れません。
でも、私はこの仕事をもう7年続けています。
なぜなら、自分の人生を振り返ってみると、
数えきれないほど多くの人を傷つけたり、
嫌な思いをさせたりしてきたと感じていたからです。
そんな人たち一人ひとりに謝ることはできないけれど、
今、目の前にいる人に親切にすることで、
少しでも過去を償えたら──そんな想いが私を支えてくれています。
介護業界は慢性的に人手不足です。
仕事としては厳しい面もありますが、
その分「人を必要としている場所」だといえます。
資格がなくてもスタートできますし、
私も最初はスクールに通いながら必要な資格を取りました。
人手不足の業界は“チャンス”でもある
仕事を探すうえで、ネックになるのは
「未経験だから」「年齢的に難しいかも」という不安です。
でも、人手不足の業界では、その“不安”こそが“可能性”になります。
介護業界をはじめとして、
60代の方でも受け入れてくれる職種は意外と多いのです。
経験よりも「誠実さ」「真面目さ」「継続する力」を求めるところが多いと感じます。
無理をせず、自分のペースで働ける場所は、探せばちゃんとあります。
60代でも始めやすい仕事10選
介護職(訪問・施設)
未経験から始めやすく、求人も多い。
『人生って』って考えさせられる珍しい業種
清掃スタッフ
病院やビル、ホテルなど。黙々と作業したい人に。
人が嫌がる仕事は求人が多いです。
基本、きれいにするエリアが決まっている場合が多いので、
早くやってしまえば終わりにすることが出来る。
警備・守衛
夜間や休日などの勤務が多く、落ち着いた環境で働ける場合も。
シニアの仲間は一番多いかもしれませんね。
スーパー・コンビニのレジや品出し
接客が好きな方に向いています。
流行りの商品など、情報を知るにはもってこいです。
仕分け・軽作業(物流センターなど)
力仕事もありますが、短時間勤務も可能。
足腰にまだまだ自信のある方はお勧めです。
送迎ドライバー
高齢者施設や保育園などでの送迎業務。
トラックの荷台の横側がガルウイングのように開閉するタイプは
荷物はパレットに積まれているものばかりなので、
自分で重いものを持たずにフォークリフトでの積み下ろしになります。
なので、結構楽ちんです。
自治体の臨時職員(窓口・事務補助)
公的機関なので安定感があります。
募集があったら急いで連絡しましょう、すぐに埋まります。
子育て支援・見守りボランティア
経験が活きる仕事。地域貢献にもなります。
子育て経験者には広き門ですね。
農作業の短期バイト
自然の中で体を動かしたい人におすすめ。
暑い季節が多いので、無理せず体調管理が出来る人。
シニア向け講座の講師(趣味や経験を活かす)
パソコン教室、楽器演奏、手芸など。人に教える喜びがあります。
今までコツコツやってきたことが生きてきます。
おわりに
年齢を重ねるごとに、「できない理由」はいくらでも思いつきます。
でも、実は「できる方法」だってたくさんあるのです。
私自身、介護業界で汗をかきながら働いている中で、
やっと気づけたことがたくさんあります。
社会の一員として、誰かの役に立っている実感。
それが、こんなにも自分の心を穏やかにしてくれるなんて、思ってもいませんでした。
まあ、腹の立つことも多いのですけどね。
今からでも遅くありません。あなたにもきっと、まだできることがあるはずです。
無理せず、自分らしく。新しい一歩を踏み出してみませんか?
そして今は現役の方もご自分が楽しく続けられそうな分野を
決めておくと良いかもしれませんよ。